こんにちは、iHOT!ハウスの土肥です。
天気予報では“この冬最強の寒波襲来、初雪か“といっている。東広島地方にも冬がめぐって来たのだろうか。
お客様と一緒に設備機器を見にショールームへ行った時のこと、昼になったので昼食を共にした。
その時“土肥さん、この仕事は何歳まで続けられるの?後継者はおられるの?“という話題になった。
自分では若いと思っているが、お客様の目には年相応に映るのだろう。“動けるまでやるつもりでいます”とお答えしたがお客様としては、建てた後の家のフォローのことも考えて聞かれたにちがいない。自分では現役でバリバリやっているが、若いご夫婦から見るとどのように見えているのだろう?と考えさせられた。
私は戦後のベビーブーム時代に生まれた団塊の世代なので決して若くはない。
20年前に自宅を立て替えたのをきっかけに建設業を始めたのだが、後継については考えたこともない。だいいち “世襲”というのがどうも好きではない。政治の世界をみてもイメージが悪い。
私は大工出身ではないので、経営以外には現場では監督や雑事をしている。建物のデザインはおシャレな感覚が必要なので、プランは知り合いの有能な建築設計士に頼んでいる。
今年もあと2週間あまりで終わろうとしている。今年を振り返ってみると、寒さの厳しい1月に戸建のスケルトンリフォームでスタートした。呉市宮原11丁目というところで、47,5坪の空家を改築した。呉の港が眼下に一望できる眺望の素晴らしい現場で感慨深い。
工期は2か月以上、春先までかかった。でも終わってからお客様に大変喜んでいただいたのが、なによりもうれしかった。築42年の古い家が大規模工事により新築のように生まれ変わり、見ちがえるようになった。
スケルトンリフォームとは、建物の構造躯体(骨組み)以外の床や壁を解体して行う大規模リフォームのこと。浴室やキッチン、トイレなど水周りを取り替えたり、大幅な間取りの変更や間仕切り変更をしたりするので、手間と処分費だけでも安くはない。
家をすべて壊して更地にするのは、ユンボなど重機を使えば短期間でできるが、スケルトンリフォームの場合は建物の構造躯体を傷つけない様に、手作業で壁などを解体しなければならない。したがって既存の建物の状況によっては、費用もかかったり、工期も長くなる。
実際に解体を進めて行くと、柱や梁、土台など接合部分の補強や追加をする必要がでたり、シロアリ被害など経年劣化が進んでいるケースもある。家の傾きもでている。
事前調査の段階である程度の予測はたてているものの、実際に剝ぐってみると、見えない部分で予想外の激しい腐食が起きている。
どこまで解体するべきか、お客様の要望を聞くため再度の協議が必要になる。
耐震性に問題があれば、間柱や筋かいの追加、梁の補強などもしなければならない。
古い家の柱や梁を残しながら、床から壁まで解体する作業をしていると「いっそ全部壊して立て替えた方が早いだろう」と感じることもある。
でもお客様にとっては親と共に長く住んだ愛着のある家でもあるだろうし、また特別の事情もあろう。
今の生活スタイルに合わないので大幅な間取りの変更もしたいし、サッシの位置や大きさも変えたい。さらに外壁も屋根もすべてを直してしまいたいが予算的にきびしい。
でも建て替えまではしたくない、というお客様もおられる。
建築基準法では、築年数の古い一戸建ては現行の法基準に適合していないことがある。
例えば “家の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接しなければならない”「接道義務」と呼ばれる法律もある。
既存の家にそのまま住み続けるのなら問題はないが、一度更地にして建て替えようとすると建築できないことがある。
このような、新築できるなら新築したいが、再建築できない不可物件もよくあるので
住まいを蘇らせる方法としてスケルトンリフォームというものが残されている。
立て替え可能かどうかについては、現地をみてみないとわからない。
なお、今回の呉の家は再建築できない物件ではない、ということを申し添えておきます。
以上大規模リフォームについてでした。